<雷撃訓練続き>
富島の燈台で雷撃訓練の終わった後、動く目標を求めながら航空隊へ帰る時は、超低空飛行で帰ったものだ。宮崎海岸にはひらたい砂地が多く、海水が流れ込んで沼のようになっているところもある。沼上をスレスレに飛ぶと、海が見えなくなってしまう。小舟等を見つけるとすぐ雷撃訓練をやる。プロペラの後流が水面をかき立てる。気合が入り、若い血潮はいやがうえにも燃え立ち、どうすることもできない。ヨーイ!!(用意)テ!!(撃て)の号令で投下レバーを引く。あまりスレスレに通過するものだから小舟の人が(驚いて)海へ落ちたこともある。
日向灘で小艦艇と潜水艦3隻を発見。早速雷撃訓練を開始した。日頃の訓練の通り、800メートル手前で魚雷投下レバーを引く。熱と気合の入った訓練である。船はジグザグコースを取りながら進んでいる。我々が投下予定コースに入ると、クルリと進路を外す。まるで両方で鬼ごっこをやっているようである。私達もあらゆる角度から突っ込んで投下訓練を繰り返した。