VHSからDVDにダビングするにはすごく時間がかかる。内容が映画の場合はその間別のことしてるが、太極拳関係の場合はたいてい見てる。自分で撮影したもの、他の人からもらったもの、テレビでやったもの、いろいろあるからだ。15年くらいたってるから、中にはもう亡くなった人もいるんだろうなあ。一緒に練習に励み、飲み屋で閉店まで武術談議に花を咲かせ、友達だと思った人も今では遠い存在だ。全国大会で見かけても絶対に近寄ったりしない。その一方で、全然態度が変わらず、いつも穏やかで、怒ったのを見たことがない人もいる。太極拳も素直でういういしい。力強さや確実さには欠けるけど、くせがなくのびやか。こういう人の拳風、性格、生き方を見習いたいものだ。さてビデオの中には中国で撮影したものもある。北京体育大学の学生の表演では・・それは長拳だが・・最後まで衰えないスピードやジャンプ力に驚かされた。まるで呼吸してないかのようだ。ある先生の48式の講習は、最初見た時床ばっかりうつっているのでいったいどうしたのかと不思議だった。後で聞いた話だと、先生はうつされているとわかるとすぐ止めてしまうので、ほとんど隠し撮りみたいな感じで・・そのせいで床ばかりうつっているのだと。確かに先生はすぐ止めてしまう。うつされるのが嫌みたいだ。とは言え、このブツ切れ映像は、私にとってはありがたかった。準備運動では長拳の基本功をやっている。たぶん向こうの人は柔軟性や姿勢を保つ脚力等は、長拳によって養うのだ。若い時にこれをやるから、太極拳をやる時には体ができている。その後は動作をくり返しくり返しやってる。蹬脚と双峰貫耳、穿梭、捋擠式。それと必ず号令をかける。24でも48でも36でも。日本では24でもあまり号令では教えない。号令と言ったらアジア大会だか何かのために作った、8呼間でやるやり方のことだと思ってるのでは?とにかく号令をかけてくり返し、体で覚える。重箱の隅をつつくような今の24の教え方から見ればアバウトだが、それでいいんだよな。今の教え方ってまるで専門家養成講座みたいなんだもの。