道場は窓がないが、板張りで広かった。不思議なのは時々隣りから太鼓の音やわーっという叫び声が聞こえることだった。後でわかったが、隣りは某学校で、きっとそういう授業をやってたのだろう。ウッチャンナンチャンが通っていたことも知った。ただホント気が散って、先生も「うるさいですねえ」と顔をしかめていた。ウッチャンと言えば「7人のおたく」で蟷螂拳をやっていた。根本一巳という人から指導を受けたのだがこの根本氏、初期の全国大会でよく見かけた。あの頃はティモシー・ハットンによく似ていたな。カルチャーセンターは3ヶ月ごとに更新するが、最初の3ヶ月が終わると人数はぐっと減ってしまった。もう一つのクラスのことはよくわからないが、こっちは10人あまり。とうとう二クラス一緒にすることになって、夕方のクラスがなくなった。土曜日なのだが私は勤めがあったからいつも遅刻していた。お昼もたいてい抜きである。必死で計算を合わせ、地下鉄まで走り・・。しばらくの間人数は少なかったが、そのうちサントリーのCMでブームに火がつき、たくさん入った。たくさん入ってもたくさんやめるから結局はあんまり残らないんだけどね。太極拳は始めやすいがすぐ気がつく。思ったより難しいぞ・・ってね。覚えのいい人は欲がないから他にもっといいの見つけるとやめちゃうし、あきらめのいい人もこんなの時間の無駄・・とやめてしまう。よく覚えが悪くて・・と言う人がいるが、覚えられないから続けているのだと思う。あきらめが悪いから続けるんだと思う。他のに転向したってどうせ覚えられないんだからもう少ししがみついていよう。そしてそれが結局は体にいいことを続けていることになるのだ。太極拳で一番難しいのは覚えることではない、続けることである。